ホルモンバランスを整える

人間の体の中には、男女問わず、男性ホルモンと女性ホルモンの両方が分泌されています。男性ホルモンには皮脂の分泌を促進し、角質を厚くする役割があり、女性ホルモンには、皮脂の分泌を抑え、肌のバリア機能を高める役割があります。

このバランスが崩れ、男性ホルモンが過剰に分泌されるようになると、皮脂が増えすぎてニキビの原因になります。そのため日々の生活の中でホルモンバランスを整えるよう心がけることで、ニキビ予防が可能になります。

日常生活におけるストレスを避ける

ストレスは、抗ストレスホルモンといってコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンの分泌を促します。これらは人体にとってとても大切なホルモンですが、ストレスが長期間続いて分泌量が増えすぎると、男性ホルモンが刺激され、皮脂分泌が過剰になります。これがニキビの原因になるのです。

そのためニキビ予防には、日々のストレスを避けることが必要です。だからといって家庭や学校、会社などで生活していれば、どうしても避けられないストレスもあります。なので、定期的に溜まったストレスを解消したり、ストレスの原因との適切な距離感を模索したりすることが大切です。

十分な睡眠をとる

睡眠の質・量が低下すると、心拍数や血圧を引き上げたり、瞳孔を開いたり、汗を分泌したりする交感神経が活発に働く時間が、1日の中で長くなってしまいます。

交感神経には男性ホルモンを活性化する働きがあるため、結果として皮脂分泌が多くなり、ニキビができるリスクが高くなるのです。

なので、日々の生活を見直して、質の良い睡眠・十分な睡眠をとるように心がけましょう。

食生活を整える

体に負担をかけるような食事、例えば甘いものや味の濃いもの、脂っこいものや辛いものなどを摂りすぎていると、男性ホルモンが優位になりやすく、ニキビの原因となります。

そのため、野菜の量を増やす、主食に玄米など食物繊維の多いものを選ぶ、揚げ物や辛い食べ物の頻度を減らすなどして、食生活を整えるようにしましょう。

生活習慣を整える

運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣も、男性ホルモンを優位にさせ、ニキビができるリスクを高める作用があります。ニキビを予防したいのであれば、適度な運動や禁煙・減煙、禁酒・減酒を検討しましょう。

正しいスキンケアを身につける

本来皮脂は、ばい菌や乾燥から守ってくれる大切なバリアです。にもかかわらず、ニキビになりたくないからと洗浄力の強い洗顔料を使ったり、強い力で肌を擦ったりすれば、逆にニキビができやすくなってしまいます。

「洗顔料はよく泡立てて使う」「洗う時は優しく」「数秒から数十秒で洗い流す」「保湿をする」など正しいスキンケアを身につけて、ニキビを予防するようにしましょう。

腸活をする

便秘は腸を通じて全身の血流を悪化させ、お肌のターンオーバーを乱すので、ニキビの原因になります。

そのため、食物繊維の多い食事を摂ったり、乳酸菌を意識して摂ったりと、腸環境にとって良い生活習慣を身につけることは、ニキビの予防に繋がります。

皮膚科処方のピーリング剤を使う

当クリニックでは、エピデュオゲル、ディフェリンゲル、ベピオゲルといったピーリング剤を処方しています。

ピーリング剤には皮膚の表面を削り、毛穴を短くする効果があります。ニキビの原因は、毛穴の中に皮脂が溜まってしまうことです。ピーリング剤によって毛穴を短くし、抵抗を少なくすれば、溜まった皮脂が外に出やすくなりますので、皮脂が溜まり始めたニキビになる前の状態で予防したり、白ニキビなどの初期段階で治したりすることが可能になります。

なお、これらは厚生労働省が認可している商品で、健康保険も適用されるため、グランメドクリニックでは患者様に積極的におすすめしています。

イソトレチノインを服用する

ニキビは、毛穴まわりの皮膚が硬く、狭くなることで皮脂が詰まって発症します。イソトレチノインはこうした皮膚の硬化・狭小化を抑制する飲み薬です。

飲み続けることで新しいニキビができにくくなる効果がある一方、肝機能の低下や中性脂肪の増加といった副作用があるため、定期的に血検査を行う必要があります。