炭酸ガスレーザーとは?
炭酸ガスレーザー(「CO2レーザー」とも呼ばれます)は、10,600nmの波長を持つレーザー治療機器です。この波長のレーザーは、細胞内の水分に反応して熱エネルギーを発生させ、目標部位を瞬間的に蒸散させ、削ることができます。ほくろやいぼ、盛りあがったしみ(脂漏性角化症)のほか、ニキビ跡の治療にも適しています。
炭酸ガスレーザーの効果
深部組織や周辺の正常な皮膚にはダメージを与えないので、メスを使用する治療と比べると出血がほとんどありません。そのため傷跡が残りにくく、治りが早いのが特徴です。
肌トラブルが生じている部位に照射することで、しわや色素沈着などを効果的に解消させることが可能で、コラーゲンの生成促進も期待できるので、皮膚の弾力性を向上させて、肌を引き締めることもできるようになります。
炭酸ガスレーザーのメリット
- 肌質・症状など、患者様に合わせた施術が可能
- 皮膚に余計なダメージを与えない
- 切開手術に比べて傷の治りが比較的早い
- 切開手術に比べて傷跡が残りにくい
- 施術中の痛みがほとんどない
- 出血がほとんどない
- ニキビ、しわ、傷などの幅広い症状の治療に対応できる
炭酸ガスレーザーのデメリット
- 稀にやけど、かさぶた、水疱、色素沈着、色素脱失が起きる場合がある
- 2回以上の治療が必要な場合がある
- 半年以上たっても、照射部位において腫れや凹み、赤みが続く場合がある
- アレルギー反応が引き起こされることがある
炭酸ガスレーザーによるニキビ・ニキビ跡治療
炭酸ガスレーザーは、ニキビ・ニキビ跡治療にも効果を発揮します。以下では炭酸ガスレーザーを使ったニキビ治療とニキビ跡治療についてご説明します。
炭酸ガスレーザーによるニキビ治療
ニキビが悪化する原因は、毛穴まわりの皮膚が狭く、硬くなることで皮脂が詰まることです。炭酸ガスレーザーを使った治療では、化膿したニキビにレーザーを照射することで非常に小さな穴を開けます。
すると、レーザーが穴を通り抜けて毛穴の中の皮脂に作用して液状化させるとともに、毛穴内を殺菌します。その後、液状化した毛穴の中身が穴を通じて外に出ていき、炎症が治っていきます。
炭酸ガスレーザーによるニキビ跡治療
炭酸ガスレーザーが有効なニキビ跡は、ニキビが治った後にできる凹み(クレーター)です。なかでも、くさびのような形をしたアイスピック型と、ボックスカー型と呼ばれるニキビ跡、正常な皮膚との境界がはっきりとしたニキビ跡に効果的です。
この2つのタイプのクレーターは、皮膚の深くにある真皮と呼ばれる細胞が欠損することで生じます。浅いところにある表皮に対して、真皮にはターンオーバーがないので、一度欠損すると元には戻りません。そのため、皮膚が凹んで見えるのです。
炭酸ガスレーザー治療ではニキビ跡と正常な皮膚の境目を削り取ることで、段差をなだらかにすることでニキビ跡を目立たなくします。
当院では複数の蒸散系レーザーの中から適した機器を選定して治療していきます。