ニキビの原因は様々
ニキビは皮脂の過剰分泌がきっかけで発生します。過剰に分泌された皮脂が毛穴を塞ぐと、そこに原因菌であるアクネ菌が増殖し、ニキビになっていきます。
ではどうして皮脂の過剰分泌が起きるのでしょうか?
その原因は様々で、主に次のようなものが挙げられます。
- ホルモンバランスの乱れ
- 日常生活におけるストレス
- 睡眠不足
- 偏った食生活
- 生活習慣の乱れ
- 遺伝的形質
- 過剰な洗顔などのスキンケア
- 便秘
など
以下では、これらがなぜ皮脂の過剰分泌の原因になるのかについてご説明します。
皮脂の過剰分泌が起こる主な原因
ホルモンバランスの乱れ
人間の体内では、男女問わず、「男性ホルモン」と「女性ホルモン」が分泌されています。これらのホルモンにはそれぞれ役割があります。
男性ホルモンの役割の1つは、皮脂の分泌を促進し、角質を厚くすることです。
女性ホルモンの役割の1つは、皮脂の分泌を抑え、肌のバリア機能を高めることです。
両者は常に適切なバランスを保つことで正常に働きますが、何かがきっかけとなってバランスが崩れて男性ホルモンが優位になりすぎると、皮脂が過剰に分泌されるようになり、ニキビの原因になるのです。
日常生活におけるストレス
男性ホルモンが増えすぎる原因の1つが、日常生活におけるストレスです。私たちの体はストレスを感じると、コルチゾールやアドレナリンといった抗ストレスホルモンというホルモンを分泌します。
コルチゾールは肝臓に蓄えるための糖の生成や、筋肉のタンパク質をエネルギーに変えたり、脂肪に蓄えられているエネルギーを使ったりと、人体にとって欠かせないホルモンです。同じくアドレナリンも、心拍数や血圧を上昇させる大切なホルモンです。
しかしストレスが慢性化し、これらのホルモンが分泌され続けると、男性ホルモンが刺激されてしまい、皮脂の分泌が過剰になってしまいます。結果、ニキビができてしまうというわけです。
睡眠不足
睡眠には自律神経(交感神経、副交感神経)を整える役割があります。交感神経とは興奮の刺激を全身に伝える神経で、心拍数や血圧を引き上げたり、瞳孔を開いたり、汗を分泌したりする役割を担っています。副交感神経は体を鎮静させる神経で、交感神経とは逆の働きを担っています。
このうち、睡眠時は副交感神経が優位となり、血圧や心拍数、呼吸数、体温を低下させるとともに、疲労を回復させてくれます。しかし睡眠の質・量が低下すると、交感神経優位の状態が長くなります。
交感神経には男性ホルモンを活性化する作用があります。そのため、睡眠不足が続くとニキビができやすくなるのです。
偏った食生活
甘いものや味の濃いもの、脂っこいものや辛いものなど、体に負担をかけるような食事ばかりを摂っていると、体がストレスを感じたり、交感神経が刺激されたりするため、やはり男性ホルモンが優位になりやすくなり、ニキビの原因になります。
生活習慣の乱れ
生活習慣とは、ストレスや食生活のほか、運動習慣や喫煙・飲酒などが含まれます。適度な運動には副交感神経の働きを活性化にし、ホルモンバランスを整える効果があるのに対して、喫煙や飲酒は交感神経を活発化させるため、男性ホルモンが優位になりやすくなります。
そのため、運動不足であったり、過度な飲酒・喫煙習慣があったりする場合は、ニキビができやすくなるのです。
遺伝的形質
両親が皮脂の多い体質の場合、その子供も皮脂の多い体質になる可能性が高くなると考えられています。ただし、皮脂がニキビになるかどうかは、主に生活習慣などの後天的な要素が左右するため、「遺伝だからどう頑張ってもニキビになる」というわけではありません。
過剰な洗顔などのスキンケア
私たちの肌にとって、皮脂はばい菌や乾燥から守ってくれる大切なバリアです。皮脂が多いからと過剰に洗い流してしまうと、肌は自分を守るためにより多くの皮脂を分泌しようとします。また、皮脂を根こそぎ洗い流してしまうと、肌は無防備な状態になり、ばい菌が繁殖しやすくなります。その結果として、ニキビができやすくなるのです。
便秘
便秘が続くと、腸内環境が乱れ、血流が悪くなります。そうするとお肌のターンオーバーにも悪影響が出始め、ニキビの原因になる場合があります。